HSPが大きな進路変更をするときの注意点
私が大きな進路変更をしたのは、大学を中退した、20年前でした。
そのころは、今と違って「HSP」という概念もまだなく、
私の周りの人たちは非HSPばかりだったため、私に対する理解はまったくなく、
私自身もどう説明していいのかわからず、まさに混乱の渦の中
「オズの魔法使い」のドロシーちゃんではありませんが、
まるで大きな竜巻に巻き込まれ、吹き飛ばされちゃったような感じでした。
HSPがなぜ大学を中退したり、休職・転職が多いかについては、
アーロン博士の本、「ささいなことで『動揺』してしまうあなたへ。」を読むとよく理解できるかと思います。
(私もこの本と出会って、初めて自分のことを深く理解しましたし
今までの自分の人生の中で、疑問で仕方なかったこと、不思議だった点がすべてつながった気がしました。
非常にスッキリしました)
「成績良くておとなしいいい子だったのに、なぜか大学やめちゃって今は引きこもりになってるらしいよ。
あれじゃあ親御さんも大変ねえ」とか
「まじめな人で挨拶もきちんとする感じの良い人なのに、なぜか会社に行かなくなってずっと家にいるのよね、あそこは。何なんだろうね」
とか言う話を、今はけっこうどこでも聞いたりしますけど
もしかしたら、たぶんほとんど、HSPなのかもなあ・・・とか思います。(違う場合ももちろんあるかとは思いますが)
周りが心配するのは、そういうことになると
「将来自立できなくなってしまうんじゃ」
「食べていけなくなっちゃうんじゃ」
「働けなくなっちゃうんじゃ」
「生活できなくなっちゃうんじゃ」
などと思い、心配で仕方ないからです。
だから、たとえ、ちょっぴり引きこもりみたいに見えたとしても、一時的に休んだとしても
「しっかり生活費が稼げて」
「将来設計がしっかりしていれば」
ノープロブレム!!! 全く問題なし!!!
ってことなんです
だから、それなら、何かそういう方法を、何でもいいので見つければいいだけです。
もし悩むことに費やす時間があるならば、自分にとって、それが何なのか、を
できるだけ早く見つけ出す努力をしたほうがいいと思います。(何でもいいんですから!)
あなたの親御さんが非HSPだとしたら、HSPがなぜ学校がニガテか、なぜ仕事に行けないか、等に関しては
まったく理解できないことでしょう。
HSPが、急に進路変更をしたり
(HSPにとっては決して急ではなく、前々から問題にしていたのですが非HSPには全然伝わらない)
学校に行かなくなったり
会社に行かなくなったりすると
「これはきっと何かの病気になっちゃったんだわ 早く病院に連れて行かなくちゃ!」
と非HSPに思われること、まず確実です。
普段がまじめで勤勉なHSPほど、周りからそう思われてしまいます。
不良が道を踏み外すのとは、ちと訳が違います。(不良ぽいHSPならそれほどでもないのかも)
病院は、まず内科から、心療内科、そして精神科へと連れて行かれてしまうこともあるみたいです。
あなたがいくら「あのね〜私、そりゃちょっとしんどいけどさ〜そんなたいそうな病気じゃないと思うんだけど?」とか言っても、
神経太い(鈍い)非HSPにはまず通じません。
それどころか、最悪の場合「病識がない」(自分が病気と言う意識がない)とまで思われてしまい、
病状はさらに深刻だと思われてしまったりします(こうなるとけっこう大変。かなり大迷惑かもですね)
そして、無理やり連れて行かれた病院には、非HSPの医師がいて。
非HSPには、HSPの感覚はまずまったくピンと来ないので
「ああ疲れてるんですね。少しゆっくり休んでね。眠れるようお薬出しとくんで飲んでみてくださいね」で済めばいいほうで
人によっては、ちょっと心外な診断をされたり、
つけられたくないような病名を付けられたりして、かなりショックを受けるHSPもいるようです。
外に出て行くのが全然苦にならない非HSPにとっては、HSPが外に出るだけで非常に消耗するというのは
「なんでそんなに?」と非常に大きな謎で、相当に違和感と疑問、困惑等を感じているみたいで
この点に関しては、本当にまったくよくわからないようです。
また、一方では、親が非常に支配的な非HSPの場合は、
「これでまたこの子を支配できる」と思っている節もあります。(病気だからと言うことで)
他に聞いた話では、
親に
『あんた、狐でもついたんじゃないの?』 とマジ顔で言われたとか・・・かなりイタイですね
親が家に祈祷師呼んで来て、訳のわからないまま、変なお祓いを受けさせられた とか・・・
(そこまでするか!とちょっと面白過ぎて笑いそうになってしまいますが、ご本人にとってはきっと笑い事じゃなかったことでしょうね)
HSPが大きく進路変更するとき、
また、非HSP親の思うとおりにHSP子が進まなかった場合には、そういうことが起こることがあり、
周り(特に非HSP)がそういう対応をすることがあるということを
前もって知識として知っておられると良いと思います。
(そういうものだと知っていると知らないとでは、全然違うので。それなりに心の準備もできますしね)
困ったときと言うのは、よりよい方向に進むための、一旦停止。
「進む方向が違うよ、ズレてるよ、そっちじゃないよ」、と何かが教えてくれているということ。
あなたにとって、正しい方向へ向かうための、ちょっとした方向転換にしか過ぎません。
だから、周りもそれほど大騒ぎすることでもないのですが、なぜか妙に大騒ぎになってしまったりするものです。
非HSPにとっての「問題」を起こす前までのHSPというのは、(HSPの血のにじむような努力と忍耐のおかげで)
「おとなしく、賢く、優しい、とても良い子」とか
「落ち着いていて分別があって、何も問題ない子」とか周りに思われていることが、ほとんどみたいなので、
非HSPにとっての「問題」をHSPが起こすと、親御さんも周りも
「こんなはずでは!!」と、ビックリ仰天なのでしょうね。
これって、それまでずっと、HSPが耐えに耐えていたから成り立っていただけの「平和」だったんですけどね。
非HSPは、HSPがそれほど我慢し続けているとは、ちっとも気づかないのですね。
HSPが、親が敷いたレールを外れたり、進路変更するのは、けっこう大変なことではありますが
でも今は、昔と違って、HSPのことが、少しは知られるようになったし、本もあるし
HSP自身もいろいろ自分のことを理解できて安心する部分があると思うので、
HSPのことが全然知られていなかった、昔に比べれば、少しは楽かもしれないとも思います。
HSPのあなたが、あなたらしく輝く道を、自分で選び取ることを願います