雇い主から見たHSPとは?

自分自身も、HSPですが、

いろいろな経験を積む中、「亀の甲より年の功」ではありませんが、気付いたことがあるので書きます。


HSPの多くは、勤め先で苦労したり大変な目に会うことが多いかもしれませんが、そのことについて書いてみました。


自分が若いころは気付かなかったこと、あるいは、勘違いしていたこと

今、自分が起業し、人を雇うほうになってみて初めて見えてきたこと気付いたこともあります。

周りに起業している人、経営者、社長さんたちもいますが、(世の中非HSPのほうが多いので必然的に非HSPがほとんど)

そういう人たちと話したり接したりする中で感じたこと

雇い主にとって、HSPはどのような存在なのか、雇い主のほうから見てHSPがどう見えているのか、が

だんだん、わかってきたように思うので書きます。


もしかしたら耳の痛いHSPの方もいらっしゃるかもしれませんが

一般的にHSPが、雇い主から見てどうなのか、を知っておくのは

知らないよりは知っておいた方が、世の中を賢く渡っていけることでしょう。

また、知っておくことで、考え方の違いや(ある意味)勘違い、心得違いによる、

ショッキングな出来事に遭遇することも少なくなるかと思われます。



私も、若いころは普通に勤めていました。

自分に何が向いているのか、どんな仕事・職場なら自分が働き続けられるのか、ずっと探し続けていました。

当時は今のような、就職難な時代ではなく、比較的就職はしやすい時代だったので、

いろいろな職場で働き、いろんな経験を積むことができました。


私は、その中で、どんな仕事なら自分に続けられそうか、無理なく続けられるかを探し続け、

勤めてみて「これは続けるの私には絶対無理」と思うと、辞めて再就職し、また次の職場で自分を試す、ということを

自分が納得するまでやり続けていたので、転職経験はかなり多めです。


進学塾の講師から、市役所アルバイト、販売員、コンビニ店員から、ちょっと危ない?勧誘関係の仕事等まで、

自分が「もしかしたらこれなら続けていけるかも?」と思った仕事、職場を片っ端からトライし続けていました。

たぶん20回くらい?転職したかと思います。

そのころは、自分がHSPだと言うことをまだ知らなかったので、非HSPでも、HSPでも、どちらでもできるような仕事ばかりです。

当然ながら、世の中の仕事は、HSP用、非HSP用というふうに分けられているわけではありませんので

HSP・非HSP関係なく、非HSPの同僚と同じ仕事をするということになります。


前置きが長くなってしまいましたが

先に結論から言ってしまいますと

雇用主から見ると、同じような仕事で、それが非HSPにもHSPにもできる仕事ならば、

HSPの方が使いやすいことが多いです。(一般的な意味で)


なぜなら

◆非HSPは体力があり、病欠せず、HSPよりも元気なことが多い。
HSPは、元気なときは非常に有能だが、疲れてくると仕事ができなくなったりミスがとても増える)

◆非HSPHSPに比べてあまり深く考えないので、雇用者にとってはめんどくさくない。
HSPは細かいことに気付いたり会社の将来を予見したりするので、非HSP経営者にとっては面倒に思われることも多い)

◆非HSPは仕事の飲み込みは遅いこともあるが、慣れてくると、安定して仕事をし続けるパワーがある。
HSPは仕事の飲み込みは速いが、慣れてくるといろいろなことに気付くので、良い意味でも悪い意味でも経営者にとっては面倒なことがある)


私も若いころ、勤め人だったころ、非HSPが気付かないことを気付き、提言したことが何度かありますが

雇用主にとっては、喜ばれるどころか

「めんどくさいことを言うヤツ」「文句多いヤツ」的な反応をされることばかりでした。

また「気がつき過ぎて怖い・・・」と思われることさえもあります。


「会社のため、みんなのためを思っての提案だったのに・・・」と思いますが、

社長や上司が非HSPだった場合(世の中、非HSPが大多数のためそういう場合がほとんどですが)

難しいことやデリケートな提言をしても、理解されず、単にめんどくさがられるだけ。

提言をしたばっかりに、いつの間にか、スケープゴート的な立場に立たされてしまっていたことさえもあります。

(これってHSPにはありがちだと思う。ただHSPが犠牲になることで他の従業員たちの職場環境等が良くなることはある)


雇用主にとっては、ただ毎日元気に安定して働いてくれ、

気付いて欲しくない(雇用主にとって)余計なところには特に何も気付かない、非HSPのほうが、

HSPよりも使いやすいことが多いし、いろんなことに気付かないので、ある意味安心して使えるのです。

(あまりにもいろんなことに気付かない場合は「仕事のできない人」ということで「使えない」こともありますが)


また、ぶっちゃけて言えば、雇用主にとっては、人件費と言うのは「損金」と感じられるようです。

多くの経営者(ほとんど非HSP)がそういう感じに捉えているようでした。

慣習も違い言葉もよく通じないような外国人労働者さえ使う会社が最近増えてきたのも、ただただ「安いから」。

人件費は、事業やっていく上で材料費とともに、一番高額になる部分といっても過言ではありません。

ですから、事業主にとっては、人件費はできればなるだけ抑えたい、できるだけ減らしたいと思うのが人情。

事業主にとっては、人件費は「損金」扱いなんです。同じ仕事するなら、少しでも安いほうがいいんです。


誰でも、買い物するとき、同じ商品なら少しでも安いほうがいいですよね?

電気製品とか高額な買い物するとき、価格.com で比較して同じ商品なら少しでも安いほうで買いますよね。

乱暴な言い方をすれば、あれと同じような感覚でしょうか・・・。(たぶん)

(これは私も勤めていた若い頃はほとんど気づいていなかったです・・・。それどころか逆に「私のような優秀な人材を
こんなに安い給料で雇えるなんてラッキーでしょ的なゴーマンな考えさえもどこかにあったような


でも、会社を回していくためには、(会社にもよりますが)

工場持ってたりすると、いろいろと、大きなお金を回していかないといけなかったり、他にもお金かかるし

出すところはできるだけ削って、会社が潰れないようにしとかないと、

もし会社が潰れたりすると、社員や社員の妻子等の生活もかかっているし

何とかやっていかないといけないので、それはそれで経営者としては仕方ないかもなあと思ったりもします。


人が必要な時、雇わないと会社が回っていかなくて経営者は困るので、必要な分は雇いますが

雇うなら、それは雇用主にとって「都合の良い人」というのがベストなわけです。(雇い主から見れば当然)


雇用主にとって「都合の良い人、役に立つ人」が欲しいから、損金である給料を払い、

手間ひまかけて仕事を教え、その他保険とか煩雑な手続き等をたくさんやって、雇っていると言うのに

それが面倒なことを言う人、引き起こす人、何か対応策を考えなくてはならないような提案をしてくる人

経営者にとって都合の悪い人(皆が気付かないことに気付くとか)の場合

「コイツめんどくさい。他の人に(代えられるなら)代えたい」と経営者が思うのは当たり前のこと。


経営者というのは、決断しなければいけないことが、毎日とても多過ぎるくらいたくさんあるもので

ひっきりなしに電話かかってきて落ち着いて会話もままならないような人もいるし、

とにかく1日中、バタバタしている人もとても多いです。

こんな調子なので(経営者にとって)どうでもいいこと、めんどくさいことには、正直、関わりたくないのが本音でしょう。

経営者でなく、あなたの直接の上司にしても、めんどくさいことには関わりたくないのは同じでしょう。


そして、できれば人件費を抑えたいと思うのが経営者の常。


トータルで考えると

「元気で安定して安く働いてくれ、鈍くて気付かなくてめんどくさくない人(非HSP)のほうが何かと気楽で便利」なのです。


また、社長や経営者、上司が非HSPなら、同じ非HSP同士の方が理解しやすく、扱いやすく、使いやすいのです。

HSP同士の、ちょっとした「小競り合い」や嫌味や小言等もほとんど気にせず、

時にそういうゴタゴタまで、「楽しい」とさえ感じてくれるのは主に非HSP

HSPはそういうのニガテです。

また、「周りと競争させること」「競争させて効率や成績を上げること」にうまく食いついてくるのは、非HSPです。

HSPではありません。

経営者や上司が非HSPなら、たぶん、雇うなら非HSPのほうが扱いやすい、使いやすいと感じることでしょう。


もしかしたら、HSPの人には多少ショッキングな内容だったかもしれませんが、

お勤めしているHSPや、就職先を探しているHSPで、上記のような内容を知らなかった場合ならば

一応、少しは、心得?みたいなものとして知っておくと、

私が過去してしまったような、職場で、予想外に自分の立場を悪くしてしまったりする経験を

少しは避けることができるかもしれませんし

相手の本音のようなものを知っておくのは(知らないで挫折するよりは)

世の中渡っていく上で、何かと有利かもしれないと思ったので書きました。

また、私自身も若い頃、そういうことに気付かなくて、知らなくて、考えが及ばなくて、とても損していたと思います。

お勤めするなら、そういうことを知った上で働けばいいのではないでしょうか。



もしHSPとしてのご自分の能力を十分に活かしたいと考えるのなら、

HSPならではの鋭い感覚や能力(非HSPにはできないこと)を活かせるような仕事内容のところを探すか

HSPの良さを認め評価してくれるような仕事・職場環境を探し出して就職するか

HSPの良さを理解できているような経営者のもとで働くか

自分自身が経営者になること、起業することです。


どちらにしても、自分に何ができるのか、自分の「ウリ」が何なのか、よく考えて、見極めて、行動して

自分の能力を磨き続けることは必須です。


何もしないでいては、何も見つかりません。


自分の好きなこと、できることが、人に「喜ばれる」ことならば、それが仕事として成立していきやすいです。


逆に、どんなに資格を取っても、頭が良くても、能力があっても

それが「人に喜ばれないこと」「必要とされないこと」ならば、それを仕事にしたり生活費を稼いだりするのは難しいです。


でも、自分のできることで、「人に喜ばれること」「必要とされること」を磨き続けていくと、

意外とけっこうなんとかなっていくものです


最初から大それたことを目指してもうまく行かないし、

最初から大きなことを考えても、やる気なくなったり、あきらめてしまうので

小さなことから、コツコツと始めてみてはいかがでしょうか。

結局、それが一番確実で早道です。


何度も言いますが、HSPの感覚と言うのは、非HSPから見ると特殊なことが多いので

HSPの感覚を生かすと、非HSPにはまねできないことも多いのです。

それは時には非HSPを驚かせることさえできる、HSPならではの(特殊)能力なのです。

活かさないのは「宝の持ち腐れ」

もったいないので是非是非活かして下さい。